わたくし、政略結婚いたします!?


「……そんなことがあって私の家は爵位を失い、上流階級から、社交界から追放されました。

幸いにも、私の父は人柄に恵まれ、本気で父が殺人を犯したと思っている者は少なくて。国の腐敗した制度の犠牲になったのだと憐れむものはいても、私たちは罪人の家族だからといって冷たい目で見られることは少なかったんです。

だから、爵位を失っても、父を失っても、中流階級への転落だけで済んだんです。


……でも、それまで通っていた寄宿学校を出ないわけにはいかなかったですし、それまでの環境から全てが一変したのは確かです」



経緯は違えど、不本意な父親の死と幸せからの転落。


この屋敷に来てからずっとメグが私に優しくて親身になってくれたのは、もしかしたら私が彼女と似たような境遇だったからなのかもしれない。



「……ウィル様は当時同じ寄宿学校の高等部で、たまに初等部に遊びにきてくれる優しい先輩でした。いつも笑顔で、人気者だったんですよ。私も、嫌な顔ひとつせずに私をはじめ小さい子の面倒を見てくれる先輩が、大好きだった」


一瞬、メグが懐かしそうに目を細めた。


……きっと、メグにとっては幸せな過去なんだろうことが、その表情からなんとなく分かる気がした。

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