わたくし、政略結婚いたします!?
「なにも。ただ、こんな不味いものをお客様に出すなんて失礼だろう?だから僕が始末してあげただけだよ」
レナルドに腕を掴まれたまま、唇の端を上げて応えたウィルは。
────強気な言葉とは裏腹に、泣きそうな声をしていた。
その声を聞いた瞬間、どうしてか、今までウィルに対して積もっていた嫌悪が、全て同情に変わる。
「お前…!!」
ガッと鈍い音が響いて、レナルドの拳がウィルの頬に叩きつけられる。
ひっ、と隣でメグが息を呑んだのが分かった。
「レナルド、やめて!!」
ぐっとウィルの胸ぐらを掴んでもう一発殴ろうとしているレナルドに、気付けばそう声を上げていた。
自分でも情けなくなるくらい、涙声だった。
私のそんな必死さを汲み取ってか、レナルドの拳はウィルの顔に当たる寸前で止まる。