わたくし、政略結婚いたします!?
「……ウィルって、やっぱりレナルドに似てるわね」
「なに?惚れそう?」
なわけないでしょ、と小突く。
「本当はあなたの方が、ずっと不器用だわ」
「……要領はいい方だと思ってるけどね」
「どうでもいいものにはそうなんでしょうけど」
言うと、ウィルは「ああ、そういうこと」と笑った。
「大丈夫だよ。僕が思っていたよりずっと、本当は気楽に生きてもいいみたいだしね」
「抱え込まなければ、ちゃんといい人だわ」
冷たい目もしないし。
ちゃんと、世界を温かく受け入れている感じがする。
「ありがとう、アリア嬢。
……レナルドを、よろしく頼むよ」
穏やかににそう言ったウィルは、優し気に微笑んでいて。
本当にレナルドのお兄さんなんだって、思った。