わたくし、政略結婚いたします!?


あっさりと言い放ったメグだけど、そのうち私よりウィルを選ぶ日がくるんじゃないかな、って思うと、嬉しい半面寂しい。



「あれ、このビスケットどこの?すごくおいしいね」



お茶受けに出していたビスケットをひとつ食べたウィルの言葉に、私とメグは顔を見合わせて笑う。



「昨日私とメグで作ったんです!」



すると、ウィルはバツが悪そうに苦笑した。



「……この前は不味いなんて言ってごめん。本心じゃないから」


「いいわよ、別に!

今日は美味しいって言ってもらえてよかったわ!」



賑やかな笑い声が響く。


初夏の風に乗って、遠くまで届けばいいと思った。


こうやって明るくいることがきっと、これからも大事なんだと思うから。




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