わたくし、政略結婚いたします!?
「……はい。お待たせしてしまってすいません」
私は静かにドアを閉めた。
自然と気持ちが落ち着いた。
先生の雰囲気には、人を優しくさせる力があると思う。
「いえいえ、構いませんよ」
「…あの、そちらの方は?」
私は先生のところに歩を進めつつそう訊ねた。
先生とお茶をしている綺麗な男の人。
私と目が合うと、その人はにこりと笑った。
……レナルドも相当整った顔をしているけど、この人もかなりの美青年だ。
長めの金髪。
青い瞳。
綺麗に通った鼻筋。
すらりとした体躯。
ここにいるってことは、レナルドともそれなりに面識があるのだろうけど、2人並んだらすごく迫力がありそう。