わたくし、政略結婚いたします!?
「でも、役得だな。まさかローズ家のお譲さんがこんなに綺麗な子だったとはね。今日はよろしく。アリアちゃん」
「…私、相当ダンス下手よ?」
「ははっ!大丈夫!いくら足を踏まれたって怒ったりしないから」
始めよう、と言って私の腰に手を回したウィル。
彼の身体が近付くと、ふわりと、薔薇のような香りがした。
「では、始めましょう」
穏やかな先生の声で、ダンスのレッスンが始まった。
────本当に、申し訳なさで心が折れそうだわ…。
「……あの、本当にごめんなさい…」
「いいよ。気にしないで」
そう言って、にっこり笑うウィル。