わたくし、政略結婚いたします!?
なんて、いい人なんだろう。
本当にレナルドの従弟?
信じられないわ……。
「アリア様、では私も失礼しますね。……大丈夫ですよ。失敗しても、明日はレナルド様がきちんとフォローしてくださいますから」
「……そうかしら」
足を踏もうものなら、ものすごい形相でにらんできそうだけど。
眉をひそめたままの私に苦笑して、「では、明日は頑張ってくださいね」と優しく言うと、先生も帰っていった。
部屋を出ていく先生の後ろ姿を見送って、私はひとつため息をつく。
……やっぱり、ダメだわ。
これじゃ絶対、馬鹿にされる。
もっと練習、しないと……。