わたくし、政略結婚いたします!?
「……じゃあ、久しぶりにクッキーでも焼こうかしら」
せっかく用意してくれたんだし、と思ってそう言うと、メグは「お手伝いさせてください」とにっこり笑った。
誰かと料理をするなんて久しぶりで、私はなんだか嬉しくなった。
お母さんがまだ元気だったころは、よくふたりでキッチンに並んだものだ。
あんまり手際のよくないお母さんの手付きに、よく笑ったっけ。
私は、メグと生地をこねながら懐かしい気持ちになった。
お父さんが死んでからは、誕生日すら裕福な思いはできなかったから。
私やお母さんの誕生日のデザートは、質素なケーキかクッキーだった。
ケーキと言っても、生クリームのたっぷり乗ったものじゃなくて、パウンドケーキとか、カップケーキとか、そういう類(たぐい)。
クッキーを焼いたのも、もしかしたら去年のお母さんの誕生日以来かもしれない。
「全部プレーンクッキーですか?」
メグに尋ねられて、ああそうか、と思い当たる。