あたたかい雪
「神様?」


ずいぶん大袈裟な言い方をする。


それに何やら「今日」というのが重要であるらしいが――


「マサ、もう一回聞くけどさ、さっきどこから電話してきたの? すぐ近くまで来てたんだよね? こんな朝早くになんで?」


言い終わると、美穂はじっと昌彦の背中に視線を注いだ。


しかし返事がなかなかな返ってこず、焦れてもう一度言おうとしたそのとき――


「今日さ」


ぽつりと昌彦が言い、はじめてこちらを振り向いた。


照れくさそうにハニカミ、お臍の前で揃えた両手に、何やら小さな雪だるまを乗せている。
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