たった一つのお願い
「んー…でもお前が他人に興味を持つなんて珍しいよな」
祐司はビールを片手にくはーっと息を吐いて言った。
「俺もそう思う」
やはり祐司にまで、不思議がられてしまった。
まぁ、俺自身驚くぐらいの自覚があるのだから他人に指摘されても当たり前か。
「お前、覚えてる?」
祐司がニヤリと口角を上げて俺を見つめる。
どうせこんな顔をしている時はろくな事がない。
聞かなくても良いのだろうが…どうせ反対しても俺の意志とは関係なく話し出すんだろう。
ならとっとと話させて話題を切り上げるに限る、と俺は大学時代に学習したので先を促すセリフを吐いた。
「何をだ?」