荒れ球リリーバー
「高岡さんのファン、女の人ばっかりですね~」

華子ちゃんの言葉に球場内を見渡せば。

《63 TAKAOKA》と表記されたユニフォーム、タオル、リストバンド等を身に着けた若い女の子達が目に付く。

素直じゃない私はセイのユニフォームを着て応援する事すら出来ないから、ファンの子達が、妬ましくて羨ましい。



試合開始直前。

始球式が始まった。

マウンドに立つのは、もちろんモデルのyuri。

ポニーテールを揺らし、誠一郎の所属するチームのユニフォームと黒いショーパン姿で登場する。

「顔小さい!脚長い!」

誌面の姿そのままにマウンドに立つ彼女に感動し興奮してると、華子ちゃんが隣で苦笑いを浮かべていた。

ユリの投げた球はわずかに打者に届かずと言う残念な結果に終わったけど、小学生の頃、少年野球チームに所属してたと言うユリのフォームはなかなか綺麗で投球姿も様になっていた。
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