荒れ球リリーバー
「やっぱり高岡さんってイケメンですよね~。女癖悪いから、あたしは無理ですけど」

華子ちゃんの言葉に反応して、女性アナウンサーと話す実に締まりのない画面越しの笑顔を思わず睨み付けた。

ワックスで立てられた真っ黒な短髪。

切れ長な一重の瞳。

スッと通った鼻筋。

薄い唇。

液晶画面に映る奴の名前は、高岡 誠一郎(たかおか せいいちろう)。

私の幼馴染みであり。

そして。

―――元カレだ。





『高岡誠一郎は、プロ野球選手(投手)。

先発投手の降板後に入れ替わりで登板するリリーバーとして活躍し、リードや接戦の場面を中心に登板する。

コントロールが定まらず、球があっちへこっちへいく《荒れ球》を武器として使っている。

このプレースタイルから、《荒れ球リリーバー》という愛称で呼ばれることがある。』

某有名オンライン百科辞典。

あいつの記事の一部だ。
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