荒れ球リリーバー
―――数十分後。
私の姿は、都内の居酒屋にあった。
店主が熱狂的な野球ファンであり、店内は野球関連の番組がいつでも放映されている。
私と華子ちゃんの行き付けの店。
誠一郎の言ういつもの店。
普段は多くの野球ファンで賑わう店内だけど、試合に負けたせいか珍しく今日は誰もいない。
静かな空間を見渡し、行くわけないと言いつつ来てしまった自分を心底情けなく思う。
アルコールにそれ程強くない私は、烏龍茶を頼み誠一郎を待つ。
ガラッ
店内に響く引き戸の音。
出入り口に目を向けると、待ち人来たり。
高身長男が、暖簾をくぐり店に入って来た。
「待たせてごめん」
ボルドーのニットソー。黒のテーラードジャケット。ベージュのチノパン。
私服姿で登場した誠一郎。
「生中ひとつ」
生ビールを注文し、私の隣に座った。