主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-②
まどろみから目覚めた息吹は、ひんやりとした空気が部屋を包んでいたので誰かが傍に居るのかすぐに気が付いて笑った。
「雪ちゃん…いつから寝顔見てたの?やだ恥ずかしい」
「実は台所に周様が立っててさ、お前に料理作ってくれてるんだけど…主さまは口出し担当で今台所は戦真っ只中なんだ」
「え…お義母様が私のために料理をっ?主さまが口出し担当って…!駄目でしょ、ここに連れて来てっ」
「でもなんか楽しそうにしてたしいいんじゃね?お前の面倒見てろって言われたから大人しくしてろよな。でないと俺が怒られるだろ」
真っ青な髪と瞳に真っ白な肌ー―
白い着物と濃紺の帯をちょっと斜めに巻いて粋に見せている雪男は、昔から息吹の面倒役だった。
扱いなどお手のもので、息吹を黙らせる様々な方法をよく知っている。
今も息吹を黙らせることに成功し、火鉢を引き寄せると雪男は少し距離を取って部屋の隅に座った。
彼は氷でできているために、熱には滅法弱い。
自分のために火鉢を引き寄せてくれた雪男の気持ちは嬉しかったが、心の距離のようなものを取られた気がした息吹は床から起きると肩に羽織をかけて立ち上がり、きょとんとしている雪男の隣に座って柱に寄りかかった。
「雪ちゃん離れちゃやだ」
「んなこと言ったって…俺がお前に近付きすぎると主さまがすげえ怒るし。結局お前は俺を選んでくれないし」
「雪ちゃんは大好きだけど、主さまのことはもっと大好きなの。ねえ雪ちゃん、ずっと傍に居てね?よく主さまと喧嘩してるけど、本当に愛想が尽きて居なくなっちゃったりしないでね?」
冗談かと思いきや真剣な顔でそう諭されると何も言えなくなった雪男は、着物の袖を握って直に息吹に触れないように気を付けながら細い肩を抱いた。
「お前が俺を選ぶまで待つつもりだし。お前こそ主さまに愛想尽かして出て行ったりするなよな」
「うん、もちろん。私ね、たくさん赤ちゃん産むつもりなの。だから気に入った子が居たらお嫁に貰ってあげてね?」
「お前って…残酷な奴だな。まあいっか、とにかくちゃんと寝てろって。匂いのあまり出ない料理食って元気出して健康な赤ん坊を産めよ」
「うんっ」
まさか赤ん坊だった息吹に惚れるなんてな。
――雪男は主さまと同じようなことを内心ぼやいて主さまの居ないところで息吹にべたべた触ってでれでれしていた。
「雪ちゃん…いつから寝顔見てたの?やだ恥ずかしい」
「実は台所に周様が立っててさ、お前に料理作ってくれてるんだけど…主さまは口出し担当で今台所は戦真っ只中なんだ」
「え…お義母様が私のために料理をっ?主さまが口出し担当って…!駄目でしょ、ここに連れて来てっ」
「でもなんか楽しそうにしてたしいいんじゃね?お前の面倒見てろって言われたから大人しくしてろよな。でないと俺が怒られるだろ」
真っ青な髪と瞳に真っ白な肌ー―
白い着物と濃紺の帯をちょっと斜めに巻いて粋に見せている雪男は、昔から息吹の面倒役だった。
扱いなどお手のもので、息吹を黙らせる様々な方法をよく知っている。
今も息吹を黙らせることに成功し、火鉢を引き寄せると雪男は少し距離を取って部屋の隅に座った。
彼は氷でできているために、熱には滅法弱い。
自分のために火鉢を引き寄せてくれた雪男の気持ちは嬉しかったが、心の距離のようなものを取られた気がした息吹は床から起きると肩に羽織をかけて立ち上がり、きょとんとしている雪男の隣に座って柱に寄りかかった。
「雪ちゃん離れちゃやだ」
「んなこと言ったって…俺がお前に近付きすぎると主さまがすげえ怒るし。結局お前は俺を選んでくれないし」
「雪ちゃんは大好きだけど、主さまのことはもっと大好きなの。ねえ雪ちゃん、ずっと傍に居てね?よく主さまと喧嘩してるけど、本当に愛想が尽きて居なくなっちゃったりしないでね?」
冗談かと思いきや真剣な顔でそう諭されると何も言えなくなった雪男は、着物の袖を握って直に息吹に触れないように気を付けながら細い肩を抱いた。
「お前が俺を選ぶまで待つつもりだし。お前こそ主さまに愛想尽かして出て行ったりするなよな」
「うん、もちろん。私ね、たくさん赤ちゃん産むつもりなの。だから気に入った子が居たらお嫁に貰ってあげてね?」
「お前って…残酷な奴だな。まあいっか、とにかくちゃんと寝てろって。匂いのあまり出ない料理食って元気出して健康な赤ん坊を産めよ」
「うんっ」
まさか赤ん坊だった息吹に惚れるなんてな。
――雪男は主さまと同じようなことを内心ぼやいて主さまの居ないところで息吹にべたべた触ってでれでれしていた。