主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-②
ふたりきりで過ごす機会は早々ない。
何かと言っては雪男が邪魔をしてくるし、もちろん銀や晴明も居るので常に騒がしい。
だが今は…
今この時だけは、息吹と主さまはふたりきりだった。
心の奥底にずっとわだかまっていた想いを吐き出した主さまは、裏山で採ってきた山菜や、あらかじめ揃えていた調味料などで料理を作っている息吹をずっと見つめていた。
その視線を感じるのか、息吹が何度も咳払いをする。
「ええと、そうだ!朔ちゃんはちゃんとお利口さんにしてるかな」
「あれが駄々をこねたことがあるか?誰に似たのか肝が据わっている」
息吹はおたまでかき混ぜていた手を止めて考えた後、むっと唇を尖らせた。
「主さま…まさか私のこと?」
「お前以外誰が居るんだ?第一妖を見ても動じない女はお前くらいなものだ」
「みんな優しいし、怖いと思ったことはないけど…」
他愛のない会話をしながらも、主さまは息吹を見つめっぱなし。
囲炉裏の火が爆ぜ、橙色に染まる息吹の顔がただただ美しいと思っていた。
「ここで椿さんと酒呑童子さんが暮らしていけるなんて…主さま、本当にありがとう」
「…俺が勝手にしたことだ。……短い時を平穏に暮らしていけるように、今後も見守るつもりでいる。…ふたりには秘密だぞ」
山菜汁を器によそって主さまに手渡した息吹は、ぴったりと主さまにくっついて肩に頭を預けた。
「今日くらい…ふたりで居てもいいよね?」
「…晴明や雪男が騒ぐだろうが、気にすることはない」
「ふふっ、一緒に怒られてね」
「怒られるのは俺だけだろうがな」
自分を含めて皆息吹に甘い。
ふたりで肩を寄せ合って食べる山菜汁は、何よりも美味しくて、何よりも幸せな時間となった。
何かと言っては雪男が邪魔をしてくるし、もちろん銀や晴明も居るので常に騒がしい。
だが今は…
今この時だけは、息吹と主さまはふたりきりだった。
心の奥底にずっとわだかまっていた想いを吐き出した主さまは、裏山で採ってきた山菜や、あらかじめ揃えていた調味料などで料理を作っている息吹をずっと見つめていた。
その視線を感じるのか、息吹が何度も咳払いをする。
「ええと、そうだ!朔ちゃんはちゃんとお利口さんにしてるかな」
「あれが駄々をこねたことがあるか?誰に似たのか肝が据わっている」
息吹はおたまでかき混ぜていた手を止めて考えた後、むっと唇を尖らせた。
「主さま…まさか私のこと?」
「お前以外誰が居るんだ?第一妖を見ても動じない女はお前くらいなものだ」
「みんな優しいし、怖いと思ったことはないけど…」
他愛のない会話をしながらも、主さまは息吹を見つめっぱなし。
囲炉裏の火が爆ぜ、橙色に染まる息吹の顔がただただ美しいと思っていた。
「ここで椿さんと酒呑童子さんが暮らしていけるなんて…主さま、本当にありがとう」
「…俺が勝手にしたことだ。……短い時を平穏に暮らしていけるように、今後も見守るつもりでいる。…ふたりには秘密だぞ」
山菜汁を器によそって主さまに手渡した息吹は、ぴったりと主さまにくっついて肩に頭を預けた。
「今日くらい…ふたりで居てもいいよね?」
「…晴明や雪男が騒ぐだろうが、気にすることはない」
「ふふっ、一緒に怒られてね」
「怒られるのは俺だけだろうがな」
自分を含めて皆息吹に甘い。
ふたりで肩を寄せ合って食べる山菜汁は、何よりも美味しくて、何よりも幸せな時間となった。