主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-②
主さまが寛いでいる中申し訳ない気持ちになったが…
義経から恋文のようなものを貰ったことを言わなければいけないと考えた息吹は、もう寝ようとして床に横になった主さまの枕元に座った。
「あのね主さま…」
「眠い。俺が寝るまで膝を貸せ」
「主さま、私の話を聞いて」
「眠たいと言っている。眠らせてくれ」
一向に話を聞いてくれない主さまにむかっときた息吹は、膝枕を拒否してすくっと立ち上がり、机の引き出しから文を取り出して見せつけた。
主さまは寝転がったまま薄目でそれを見つつ、意味がわからないといった表情で見上げていると――息吹はどこか勝ち誇った表情でにっこりと笑って見せた。
「これ、義経さんから頂いたの。内容知りたい?どうせ興味ないって言うんでしょ?これ多分恋文だと思うから後でお返事書こうっと」
「!ま、待て息吹!」
焦った主さまが身体を起こすと、息吹は静かな瞳で主さまを見つめてどきっとさせた。
「主さま」
「……なんだ」
「私の話をちゃんと聞いてくれなきゃいや。ただでさえ主さまとお話する機会は少ないんだから、これからもそうするつもりなら私の話をちゃんと聞いてくれる人の所に行っちゃうかも」
「待て、俺が悪かった。それに恋文だと?お前…まさか恋文を貰って喜んでいるのか?」
「だって恋文なんて貰ったことなかったんだもん。主さまだって私に恋文書いてくれたことないでしょ?すっごくどきどきしちゃったの。だから久々にお化粧しちゃった」
そういえば…いつもと少し印象が違うと実は気付いていた主さまは、息吹の手から文を奪い取って素早く目を通すと、切れ長の瞳を尖らせた。
源義経という男…完全に息吹に惚れている。
いくら武に秀でているとは言え、人妻の息吹に恋文を送ってくるとはなんと不届き者なのだろうか。
「…俺だって恋文くらい書ける」
「そう?じゃあ私に書いて」
「は?…今すぐか?」
「今すぐにじゃなくてもいいけど、約束だから。わあ、主さまが私に恋文!恋文!」
息吹の勢いに圧倒されてしまった主さまは、義経からの恋文を息吹に返さず、蝋燭に文を翳して燃やしてしまった。
「あっ、主さま何するの!?せっかく恋文を貰ったのに!」
「そんなの俺が書いてやるからこんなので喜ぶな」
だが…
義経からの恋文は、この1通だけでは終わらなかった。
義経から恋文のようなものを貰ったことを言わなければいけないと考えた息吹は、もう寝ようとして床に横になった主さまの枕元に座った。
「あのね主さま…」
「眠い。俺が寝るまで膝を貸せ」
「主さま、私の話を聞いて」
「眠たいと言っている。眠らせてくれ」
一向に話を聞いてくれない主さまにむかっときた息吹は、膝枕を拒否してすくっと立ち上がり、机の引き出しから文を取り出して見せつけた。
主さまは寝転がったまま薄目でそれを見つつ、意味がわからないといった表情で見上げていると――息吹はどこか勝ち誇った表情でにっこりと笑って見せた。
「これ、義経さんから頂いたの。内容知りたい?どうせ興味ないって言うんでしょ?これ多分恋文だと思うから後でお返事書こうっと」
「!ま、待て息吹!」
焦った主さまが身体を起こすと、息吹は静かな瞳で主さまを見つめてどきっとさせた。
「主さま」
「……なんだ」
「私の話をちゃんと聞いてくれなきゃいや。ただでさえ主さまとお話する機会は少ないんだから、これからもそうするつもりなら私の話をちゃんと聞いてくれる人の所に行っちゃうかも」
「待て、俺が悪かった。それに恋文だと?お前…まさか恋文を貰って喜んでいるのか?」
「だって恋文なんて貰ったことなかったんだもん。主さまだって私に恋文書いてくれたことないでしょ?すっごくどきどきしちゃったの。だから久々にお化粧しちゃった」
そういえば…いつもと少し印象が違うと実は気付いていた主さまは、息吹の手から文を奪い取って素早く目を通すと、切れ長の瞳を尖らせた。
源義経という男…完全に息吹に惚れている。
いくら武に秀でているとは言え、人妻の息吹に恋文を送ってくるとはなんと不届き者なのだろうか。
「…俺だって恋文くらい書ける」
「そう?じゃあ私に書いて」
「は?…今すぐか?」
「今すぐにじゃなくてもいいけど、約束だから。わあ、主さまが私に恋文!恋文!」
息吹の勢いに圧倒されてしまった主さまは、義経からの恋文を息吹に返さず、蝋燭に文を翳して燃やしてしまった。
「あっ、主さま何するの!?せっかく恋文を貰ったのに!」
「そんなの俺が書いてやるからこんなので喜ぶな」
だが…
義経からの恋文は、この1通だけでは終わらなかった。