カラフル

見かけの甘いマスクとは正反対で、彼の言葉遣いは最低だった。

ムッとしたあたしは、スタッフに目を向けて「あたし、適当でしたか?」と問いかける。

「んー。……ちょっと、今日の笑顔はかたいかな。動きもイマイチだね」

カメラマンの笹木さんは苦笑いで、頭をポリポリかきながらそう言った。

さっきまで何も言ってこなかったくせに、こんな展開になってから文句を言いだすなんて有り得ない。

視線を移すと、矢野ユウキは勝ち誇った表情で見下してくる。

無性に腹が立った。

「休憩にしましょう」

険悪な空気を読んだ編集部の橘さんは、両手を合わせて明るく声をかけてくる。

「とりあえず、かえてください」

橘さんからお茶を受け取る矢野ユウキは、しつこくパートナー役の変更を求めていた。
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