カラフル
あたしたちしかいない休憩室はとても静かで、自動販売機のジーッという音しか聞こえてこない。
沈黙の中、あたしは頭を下げたまま目を瞑っている。
先に口を開いたのは、矢野ユウキだった。
「なんだ、きちんと謝ることが出来るのか」
パタンと雑誌を閉じて、そう囁いてくる。
恐る恐る顔を上げると、さっきとは違う彼の表情が目に映る。
口元をクイッと上げて、優しく微笑んでいる彼。
「すみませんでした」
もう一度、謝るあたし。
また怒鳴られることを覚悟していたあたしは、少し拍子抜けしていた。
だけど、彼は表情を緩めたまま、何も言わず席を立つ。
「期待しとくよ」
その言葉を置いて、矢野ユウキは目の前から去っていった。