カラフル

「朝香ってさ、オシャレやメイクをしていれば恋が実ると思ってんの? ……人のこと疑う時間があるなら、さっさと告白しなさいよ。バスケ部の練習ばかりコソコソ眺めて、馬っ鹿みたい!」

佐奈はあごを上げ、見下すかのような顔であたしにそう言った。

全身が震えるくらいに、腹が立った。

ずっとそんな目であたしを見てたのか、と思うだけで涙が出そうになる。

佐奈はあたしと違って、綺麗な容姿を持っている。

わかってもらえないのも当たり前なのかもしれない。

だけど、入学してからずっと仲良くしていて、毎日、一緒にいた相手にそんなことを言われたくはなかった。

少しでも可愛くなりたいから、オシャレやメイクを頑張ってた。

少しでも長く相手を見つめていたくて、毎日、練習を見に行ってた。

いつも側にいた佐奈は、そんなあたしを馬鹿馬鹿しく思ってたんだね。
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