カラフル
「野島さんもさ……」
「そんなに佐奈のことが心配なら、一緒にいてあげれば良いじゃんか!!」
その話をしたくないから黙ってるのに、洋介は話題を変えようとはしない。
むかついたあたしは、彼の声を覆うようにして怒鳴っていく。
学校にいるときも、そう。
洋介は「野島さん、野島さん」と、佐奈のことばかり言ってくるの。
佐奈のことが気になるのなら、あたしのところに来たりしないで、佐奈の家へ行けばいい話。
そんなに佐奈のことが好きなら、とっとと付き合えばいいじゃんか。
「……なんだよ、それ」
怒るあたしを見下ろしていた洋介は、ムッとした顔でそう呟く。