カラフル

「野島さんもさ……」

「そんなに佐奈のことが心配なら、一緒にいてあげれば良いじゃんか!!」

その話をしたくないから黙ってるのに、洋介は話題を変えようとはしない。

むかついたあたしは、彼の声を覆うようにして怒鳴っていく。

学校にいるときも、そう。

洋介は「野島さん、野島さん」と、佐奈のことばかり言ってくるの。

佐奈のことが気になるのなら、あたしのところに来たりしないで、佐奈の家へ行けばいい話。

そんなに佐奈のことが好きなら、とっとと付き合えばいいじゃんか。

「……なんだよ、それ」

怒るあたしを見下ろしていた洋介は、ムッとした顔でそう呟く。
< 91 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop