カラフル
「オシャレやメイクをしていれば恋が実ると思ってんの?」と言った佐奈の台詞が、頭の中で渦巻いている。
あたし、間違っていたのかもしれない。
振られることを恐れて、遠まわしなことしかしていなかった。
洋介の前で可愛くしていなければ、どんな努力も水の泡になってしまうんだ。
「洋介の言うとおり、あたしは可愛くないよ!」
大きな声で、彼の背中に話しかけていく。
「目も腫れぼったいし、ブスだし……佐奈みたいに可愛くない!」
だけど、努力してたんだ。
少しでも、可愛いと思われたいから。
洋介に好きになってほしいから。