桃色の初恋〈上〉


愁はそう言うと私の手を握った。


「もう、俺以外の男とかかわるな。
 さっきのメール先輩からだろ?」




前までの愁ならそんなこと気に
しなかった。
私に好意を持っている人と連絡を
してても怒らずに「モテルな~お前は」
と笑ってくれた。



愁を変えてしまったのは私だった。




そのまま無言で私は家に帰った。




家に帰ってすぐ部屋に行った。
鏡を見て自分の顔を見た。


昔から私は痣になりやすい肌で
すでに頬は赤く腫れていた。



痛くて泣いた。
愁が怖くて泣いた。
それ以上に心も痛かった。




愁、ごめんね___


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