叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。



その日から優花ちゃんと俺は一切会話をしなくなった。


どう話しかけていいのかわからなくなったし、
話しかけちゃいけないって自分に言い聞かせていたから。


だからどうしようもできなくて。
優花ちゃんの存在を遠くから見つめることしかできなくて。


同じ教室にいても、廊下ですれ違っても、俺たちの間には見えないのに厚くて高い壁が隔てられている。



「……っ……」



でも本当は毎日話しかけたかった。

毎日毎日、くだらない話をしていたかった。


前と同じように。笑って、笑って。



「…………」



どうして急にあんなこと言ったんだろう。


俺たち普通に仲良かったじゃないか。


それともなにか事情があるんだろうか。


でも何を考えても、結局は想像でしかなくて。
彼女に真意をたずねることはできないし。


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