叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
その日は学校中が大パニックになり、みんなが早めの下校を余儀無くされた。
先生たちに事情を聞かれたけど、なにも答えることができなかった。
先生たちの質問が頭に入って来なかったから……。
ずっと放心状態で、目の前で起きた出来事に、ただただ戸惑って、ショックを隠せなかった。
なんでだよ……っ。
なんで止められなかったんだよ、俺。
もう少し早く手を伸ばしていれば、優花ちゃんの手を掴むことができていたのに。
こんなことになるなら、強引にでも彼女のそばにいたらよかった。
……すべてにおいて、後悔しかなかった。
そばにいられなかったこと。
助けられなかったこと。
そして次の日、学校へ行くと全校生徒が体育館に集められた。
登校して来た優夜ちゃんが一言も喋らなかった。
ずっと落ち込んでて、誰がなにを言っても反応しなかった。