叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


「もう、あんま話しかけないようにするから」


『…………』


「気づかなくて迷惑かけてゴメン。まじで……」



本当は「そんなことないよ」って言って欲しかったのかもしれない。


……俺って、本当に女々しくて弱い。


だけどそれ以上にうざいと迷惑をかけていたことに、罪悪感が募る。


よかれと思って近づき過ぎた。


ちょっと仲良くなったぐらいで調子に乗り過ぎていたのかも。



「じゃあ俺もう行くな。早く元気になれよ」



精一杯に笑って。
俺は保健室を後にした。


扉を閉めて、そのまましゃがみ込む。


あぁ、マジで、俺ってアホだな。

惨めすぎる。


情けなくて自分の前髪の部分をくしゃりと握った。


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