叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
ーーガラガラッ。
教室の扉が開く音がして、閉じていた目を開けて立ち上がった。
優花ちゃんと仁も同じタイミングで立ち上がった。
副担任の先生がゆっくりと真剣な眼差しで教壇にあがる。
はやる気持ちをおさえて、先生の言葉を待った。
「……たった今、病院に同行していた担任の方から電話がかかって来ました……」
ーードキドキ。
先生の伏し目がちの目線。
震える手にぐっとチカラを入れて歯を食いしばった。
「相沢さんは……なんとか一命を取りとめました」
先生の言葉に安堵のため息をもらす生徒たち。
優花ちゃんは嬉しそうに泣いて、仁はこぼすような笑顔を見せた。
俺は……。
ただその場に立ち尽くして、相沢が生きている喜びに涙を流した。
生きて……いてくれた……
よかった……。
ほんと、よかった……!