叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


悲しそうな目をして生徒手帳を見た。



「大丈夫だよ。先生も次期に思い出すって言ってただろ?」


「うん。そうだけど……」


「俺ら相沢が無事だっただけですっげぇ嬉しかったんだ。なくなったのが命じゃなくて記憶で良かったって、俺は思う」



もしも本当に運命を決める神様がいたなら、神様は俺たちにやり直すチャンスをくれたんだ。


命を取らずに、一番辛かった記憶をなかったことにしてくれたんだ。


ある意味、俺たちはついてる。

だから、大丈夫。



「冬樹って……」


「ん?」


「私のなんなの?友達?それとも彼氏?」



……え?

相沢の質問に仁がたまらず笑い出す。



「ふはっ!さすが優夜ちゃん」


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