叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


ーーガラガラッ!


扉を勢い良く開けるとベッドの上には彼女の姿がなく、


中に入って様子を見てみると、


ベッドの横に顔をしかめて倒れてる相沢を見つけた。



「相沢!?大丈夫か!?」


「……だ、大丈夫。ちょっとベッドから落ちただけだから……」



立ち上がろうとしている相沢の脇に潜り込んでとっさに身体を支えた。


近くに置いてある車椅子が不自然な向きになっているのが目に入った。


……この車椅子に移ろうとしたのか?



「ありがとう」


「ううんっ。ケガはない?」


「……うん」



彼女をベッドに座らせる。


少しだけ考えて「車椅子に移ろうとしたの?」と言うと頷いた相沢。



「外に……行きたくて……」


「外?」


「ずっと病院の中に居たら息が詰まっちゃうもん……」



外に行きたいという彼女を先生の許可なく外に連れ出してもいいのだろうか。



「……じゃあ行く?」



少し悩んでからそう言うと相沢は下に向いていた顔を上げ、俺を見た。


その顔はどこか嬉しそうに見えた。


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