叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


「……行きたい」


「うん。じゃあナースステーションにいる看護師さんに聞いて来るね」


「ありがとう……」



相沢が飛び降りてから、初めて気の緩んだ相沢の笑った顔が見れた。


俺のこと、たぶん警戒してたと思うから。


そしてナースステーションを訪ねた俺は看護師さんに相沢を散歩に連れて行ってもいいかを聞いたら快く了承してくれた。



「全然いいわよ。気持ちのリフレッシュも大切なリハビリだから」



そう、言ってくれた。


その看護師さんが相沢を車椅子に乗せてくれて、お礼を言ってから車椅子を押して外に出た。


病院の目の前にある大きな公園。

小さな子供たちが元気に遊んでいる。



「久しぶりに外に出た!」



嬉しそうにはしゃぐ相沢に俺も嬉しくなる。


……相沢は飛び降りた衝撃で下半身にすこしだけ後遺症を残した。


でもリハビリすれば元には戻らないけれど、歩けるようにはなるという。


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