叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


「でもようやく心を開いてくれて。いろいろ話して、花火大会にも一緒に行った」


「花火大会……?」


「うん。すげぇ綺麗だったよ。……あ、相沢は迷子にもなった」


「迷子?なにそれ……っ」



涙を拭きながらおかしそうに少しだけ含み笑いをする相沢。



「俺、出会ってから相沢には感謝しかしてないんだ。だから……」



だから。



「生きることを諦めないでくれ」



公園で子供たちのはしゃぎ声が大きくなった。


まだ世の中のことをほとんど知らない、無邪気な子供たち。


残酷なことがおこるっていうことを少しずつ知って来た、17才を過ごしている俺たち。


大人でもない、子供でもない、微妙な時。


なにが正しくて、なにが間違いかもわからない。


だけどわかったことが一つだけ。


間違いながら、間違いを乗り越えて
俺たちは成長していくしかないんだ。


答えなんて、やってみなければ、わからない。


最初からうまくできる人なんていない。


はじめからうまく生きられる人なんて、いないんだ。


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