SトロベリージャM
そして、ダイが名前を呼んでくる。


「実野里・・。実野里・・。」


(ダイ、わたしはここにいるよ・・。)


だんだん、視界が真っ暗になり、怖くて腕を伸ばした。


「ダイ、助けて・・。」


すると、誰かが手を優しく掴んでくれた。


その瞬間から、視界が明るくなっていった。


目の前にいるのは、やはりダイだった。


「実野里、大丈夫か?泣きながら、うなされてたぞ?」


周りを確認すると、ベンツの助手席に座った自分がいて、心配そうにダイが顔
を覗き込んでいる状態だった。


「わたし、夢を見てた。」


夢の余韻が残る潤んだ目をこすりながら、実野里は言った。


ダイが実野里のシートベルトを外し、抱きしめてきた。


「どんな夢だ?だが、どんな夢を見たって俺が傍にいることには、変わりない。」


「うん・・。それなら、いいよ。それに、この夢は、まだ秘密にしておきたいの。」



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