SトロベリージャM
美里さんは、社長ににじり寄り、睨みをきかせた。


「さぁ、あなたはどっちを取るの?都会とジャム!言っとくけど、大型施設なんてどこも似たようなもんだけど、この特性ジャムは、この森で実野里ちゃんの手によってしか作られないのよ!ほら、さっさと決めなさいよ!」


社長の顔は、ストロベリージャムのように真っ赤に染まった。


ダンディなイケメンが真っ赤に染まるのも、見ごたえたっぷりだと、わたしは思った。


「ジャ・・ジャム・・。」


ぼそぼそ言う社長に、美里さんの喝が響き渡った。


「声が小さい!!」


「ジャ・・ジャムです!!!!」


今度は、森中に、ジャムマニアの叫び声が響き渡った。


そして、何とも言えない空気が辺りに漂った。


わたしは、少し可愛そうに見えてきた社長に声をかけた。


「あ・・あの・・社長。わたしのジャムを愛好してくださってありがとうございます。わたしも、同じジャムマニアなんで気持ち分かります。それに、気も合いそうですし、この森で、一緒にジャムを作りませんか?今までのことは、全てジャムに流して・・。」
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