SトロベリージャM
「大きなレインコート」


空から涙が降ってきた


瞳から水が落ちてきた


どっちが雨なのか分からないね


どっちにしろ、濡れていることには変わりなくて



でも、寒くもないし、苦しくもないよ


強がりながら、わたしは綺麗に洗われていく


完成する途中だったのに、大きなレインコートがわたしに着せられた


後ろから、抱きしめるなんて反則だよ



ずるいあなた


だけど、どうして?


洗われるより、もっと気持ちがよくて


綺麗になるより、もっと美しくなって



空から雨が降る理由も、瞳から雨が降る理由も分かっているかのように、強く抱きしめる


どんどん包み込んでいく


身動き1つも許さないみたいに


大きなレインコートは、ずるいくらいに水をはじいた

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