SトロベリージャM
再び、ベルが鳴った。


「いらっしゃいませ。」


「実野里ちゃん、4日ぶりだねぇ。」


美代さんと、健さん、幸代さんだった。


健さんは、野菜担当の代表者で、幸代さんは、果物担当の代表者だ。


ちなみに、美代さんは会合などで皆をまとめたり、日頃、皆の様子を見に行ったりしていて、伝達係でもあった。


メンバーを代表して、この3人がよく店に来る。


「まだ、動きはないみたいだよ。だから、安心してね。」


心の中は不安でいっぱいだったが、皆に最高の笑顔を向けた。


「そうかい、そうかい。よかった、よかった。」


3人が声をそろえて言った。


店内は、お客さんでいっぱいだ。


実野里はこの光景が大好きだった。


ぬくもりに包まれたこの感覚も。


皆でたわいもない会話に花を咲かせた後、由梨さんと親子は、ジャムを買って帰っていった。


その後は、仕事仲間で、野菜や果物の現状や、商品の売れ行きについて話し合った。
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