神龍と風の舞姫
「この間の女の子といいさ、海斗を追っているあいつらがかかわってるのは間違いないんでしょう?」

探るように向けられた瞳は、ごまかすことを許さない

「ああ、最終的にはあいつらに行きつくだろうさ」

いつかきっと剣を交えなければならないだろう

「どうしてそんなに力が欲しいんだろうね…」

さびそうなしるふのつぶやきが、広い講堂内に響く

「さあ…、あいつらの考えることはわからないからな。…それよりも…」

言葉を切った海斗がすっと動く

「…わっ!!」

突然抱きかかえられてしるふが驚いたように反射的に海斗の首に腕を回す

「ちょ!!下ろしてよ、海斗!!」

「ふらつきながら歩く女を?夢のせいであんまり寝れてないんだろう」

仰せのとおりです…が!!

「だって!!このまま街の中歩いて宿まで行くわけ!?」

恥ずかしいんですけど!!

「黙ってろ。落とすぞ」

ええー!?

不満そうなしるふの声とすたすたと軽やかにあるく海斗の背を、時々吹く風が見送った
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