竜王様のお約束
「・・・!もしかして、リョクに何かあったんじゃ!」


これにはさすがのハクリュウも反応せざるを得ず・・・。


「ヤヨイ!滅多なこと言うなよ。
何かなんて、あってたまるか!」


ヤヨイの両肩を掴んで、咄嗟にキツい口調で反論してしまったのだ。


「そ・・·そうよね。ごめん。」


シュンと下を向いたヤヨイを見て、慌ててハクリュウは我に返りヤヨイを抱きしめた。


「言いすぎた。俺こそ・・・ごめん。」


静かに呟き、ハクリュウはその腕にギュッと力を込める。


ヤヨイはただ単に、リョクを心配していただけだったのに。
そんなヤヨイを責めた自分を悔やむ気持ちが、無意識の行動となってハクリュウを揺さぶり、つい力の制御を忘れてしまった。


「ハクリュ・・・くるし・・・。」


ヤヨイはハクリュウの腕の中から、か細い声をだした。


「あっ・・・ごめん。俺・・・つい・・・。」


ぱっと両手を広げて、ハクリュウは切なそうな表情を見せる。


「だい・・・じょぶ・・・よ・・・。」


少し苦しそうに咳き込みながら顔を歪めたものの、ヤヨイはハクリュウに微笑んだ。
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