竜王様のお約束
「キリュウそなた・・・余程、命が要らぬと見える。
シリュウが何故、我の怒りを買ったのか、見ておらなんだのか?
我の最愛の妃ヤヨイに、非礼な言葉を浴びせたからぞ。
ヤヨイがそなたのモノになるだと?はっ・・・笑止。
例え妄想の話だったとしても、なんたる無礼。
そなたの腐った生気も我が取り込み、浄化してくれるわ。
シリュウ同様、哀れな骸となるがよい。」


「ハクリュウ、止めて!」


怒りに身を任せたハクリュウに、ヤヨイは抱きついた。


「コウリュウさんに一任するって、言ったじゃない。
こんなハクリュウ、もう見たくないよ。
私は全然、気にしていないから。」


「いや・・・。
こやつも、我が裁く。」


こやつ'も'とは、シリュウのように、と言うことである。


王宮へ来る前にシリュウも同行させようと、一行は屋敷に向かったのだが、余計な言葉を言ったばっかりに、シリュウはハクリュウに粛清されたのだ。

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