恋の扉をこじあけろ
「もう帰ります。あんまり遅くなったら悪いですし」
冬実を起こそうと腰を持ち上げかけたわたしに、先生が言いにくそうに口を開いた。
「いや…、もう終電間に合わないと思うけど」
先生の言葉に、はっとして時計を見た。
壁にかかったシンプルな時計は、間もなくシンデレラタイムに突入しようとしていた。
うそ…
今から駅に向かっても終電に間に合わない。
地下鉄に乗り換えないといけないし。
どうしよう。
「車も出せないし夜中に歩かせるのも危ないから、悪いけど今日は泊まっていってくれる?」
的井先生は申し訳なさそうに言いながら、川崎さんのずり落ちた毛布をかけてやっている。
なんで先生、謝るの。
悪いのはのんきに寝ていたわたしなのに。