恋の扉をこじあけろ
的井先生に叱られてしょんぼりと肩を落とした。
先生の言うとおりだ。
お酒を飲むなら自分で責任を持たないと。
こんなこともできないで、あきれられたよね…。
わたしの肩に手をぽんと置いて、先生が優しく笑う。
「反省したなら、今度から気をつければいい」
そう言ってわたしにフォークを握らせた。
先生の笑顔に、わたしの胸が高鳴った。
的井先生、だめだよ…。
そんな甘やかしたら。
これ以上見たら心臓に悪い気がして、顔を逸らして素直にケーキを食べた。
ちょっとぬるい生クリームが、口の中で溶けた。
ときどき触れ合う肩に心臓が跳ねまわる。
平常心を装って先生と話しながらも、肩に意識が集中してしまってあんまり頭に入ってこない。
そうこうしてる間に、ケーキを食べ終えてしまった。
何も手を動かさないでいることが怖くて、シャンパンに口をつける。
爽やかさはまだ健在だった。