恋の扉をこじあけろ


的井先生に叱られてしょんぼりと肩を落とした。


先生の言うとおりだ。

お酒を飲むなら自分で責任を持たないと。


こんなこともできないで、あきれられたよね…。


わたしの肩に手をぽんと置いて、先生が優しく笑う。


「反省したなら、今度から気をつければいい」


そう言ってわたしにフォークを握らせた。


先生の笑顔に、わたしの胸が高鳴った。



的井先生、だめだよ…。

そんな甘やかしたら。


これ以上見たら心臓に悪い気がして、顔を逸らして素直にケーキを食べた。


ちょっとぬるい生クリームが、口の中で溶けた。



ときどき触れ合う肩に心臓が跳ねまわる。


平常心を装って先生と話しながらも、肩に意識が集中してしまってあんまり頭に入ってこない。


そうこうしてる間に、ケーキを食べ終えてしまった。



何も手を動かさないでいることが怖くて、シャンパンに口をつける。


爽やかさはまだ健在だった。


< 186 / 278 >

この作品をシェア

pagetop