恋の扉をこじあけろ
また、ほわほわしてきた。
的井先生が話をやめた。
どうしたんだろうと思いながら、ゆっくり先生を見上げると、先生の指がわたしの唇の端を優しく拭った。
さっき食べたケーキのクリームがついてしまっていたらしい。
それだけでも恥ずかしいのに、先生はそれを舐めた。
顔が瞬時に熱くなった。
真っ赤なわたしを見て、先生は不敵な笑みを浮かべている。
わたしの心臓は暴れまわるばかりだ。
「せ、先生…酔ってるんですか」
「酔ってるのは牧原さんだろ」
そうかもしれない。
今見ている先生は、酔ったわたしが作り出した幻なのかも。
いつもと雰囲気が違う先生も素敵だ。
ぼんやりしているわたしの頬を、先生の手が捉えた。