†captivity†(休載)


なんという展開だ。

和歌さん、これは気のせいでなければ、たぶん、食べられそうになっている。





「待ってください待ってください待ってください」

「大丈夫、さっき買ってきたから」

「何をですか、さっき?何…………」



はっと思い出すのは、先程パーティーの後で一度家に帰される時のこと。

そうだ、彼は薬局に行くと言っていた。

そして先程見間違いじゃなければ、何か箱をベッドの端に置いていたのを見たような気がして……。



あたしの中の少ない知識と彼の行動が結びつく。



「待ってください待ってください待ってください待ってください」

「さすがのお前でも察したか」

「いやだってあたし経験もなければ知識もたいしてなければ、動けないですしわからないですし、心くんを満足なんてさせられませんよ!?」

「俺は和歌を見てるだけで十分満足だから問題ねぇな」

「問題しかないんですけど!?」



そう、恋人には他の関係では越えられない壁が、越えてしまえるのだ。

愛故に、その痛みを伴うらしい行為も、それすらも愛を感じてしまうらしいのだ。

何するのか全然細かいところは知らないし、むしろ恥ずかしくて避けてきていたけれど。



「嫌か……?」

「は……」

「お前のどんな姿でも全部見たいと思うのは……ダメ、か……?」



え……。

急にしおらしくなる心くんに、今度はあたしの方が焦り始める。

まって、ちょっ、可愛……違くて、今は可愛いは一旦置いといて。



「心、くん」

「和歌のもっと可愛くなる姿が見たい」

「えっと……」

「それともまだ……俺の愛を受け止められるほど、和歌の心は……」

「まって、まってください、なんでそうなる!?」



しょぼくれている可愛い心くんを見上げながら、あたしは悩む。

そもそもここへ来ることを了承したのは他でもないあたしだ。

心くんにそういう……可能性もまぁ、頭の端っこでは意識していたし、あたしなりの覚悟だって。

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