俺がお前の生きる理由。(仮題)
『あの、桐生様、ここに住むって・・・』
「ああ。
夜中、俺が言ったこと覚えてるか?」
少し考えるようにして、なんとなくですけどと返事が返ってくる。
きっと頭がぼんやりしてて、曖昧にしか覚えていないんだろう。
「もぅ、海藤家に戻る必要はないって言ったんだ。」
『で、でも私は・・・』
葵が言葉を詰まらせ、表情を曇らせる。
「母親のことだろう?全部知っている。」
『ぇ・・・?』
驚きと困惑の混じった表情で俺を見上げる葵。
「お前は母親が持っていったお金を返すためと、その罪滅ぼしとして海藤家で働いていたんだよな?」
『・・・はい。』