チョコレート*ラブ


ふふっと笑う私を見て、菅原君は不満そうに髪をクシャクシャッといじった。

「俺にちゃんと言わせてよ?」

「あ、う……うん」

「……って、まぁいいか。よろしく」

菅原君は、とびきりの笑顔で笑ってくれた。



「じゃあ、帰ろっか」

「あ、えっとー…」


菅原君は、気がついていないけど……実はまだチョコを受け取られていないのだ。

「ん?」

「こ、これっ」


私は、ずっと手に持っていたチョコを、もう一度菅原君に差し出した。

それを見た菅原君は、『あ゛!受け取んの忘れてた』なんて声を上げて私の手から受け取ってくれた。

そして、菅原君は優しく微笑んでくれた。


「サンキュー…〝鈴子〟っ」




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