瑠哀 ~フランスにて~
ユージン達がすれ違い様、瑠哀は耳打ちする。
「何かあったら、ここに連絡してください。
それと、私の提案したことも、考えてみてください」
「…わかりました」
母親は軽く頭を下げるようにして、ユージンと共に帰って行った。
「いい子だね。明るくて、とても素直だ」
振り返ると、朔也がユージン達が出て行った方に目をやりながら言った。
ゆっくりと瑠哀に向き、首をかしげるようにする。
「話は終わったの?
俺達も、君に話があるんだ。こっちに来て」
瑠哀が椅子に腰を下ろすのを待って、朔也は切り出した。
「彼らは、誰だい?」
「以前に知り合ったの」
「パリで?」
「そう」
「随分、親しそうだけど、君の友人ではないだろう?
君はパリに来たばかりだしね。
彼らもここに来ていると、知っていたの?」
「友人、とまではいかないわ。
ただ、知っているだけ。だから、ここにいることも知らなかったわ。
会った時は、驚いたけれど」
「そうか。それで?」
瑠哀は、何?、というふうに首を回す。
「俺達に話すことはない?」
「特別ないと思うけど」
「そうかな。スーツケースを投げたとか、海に飛び込んだとか、身に覚えはない?」
「ユージンが話したのね」
「何かあったら、ここに連絡してください。
それと、私の提案したことも、考えてみてください」
「…わかりました」
母親は軽く頭を下げるようにして、ユージンと共に帰って行った。
「いい子だね。明るくて、とても素直だ」
振り返ると、朔也がユージン達が出て行った方に目をやりながら言った。
ゆっくりと瑠哀に向き、首をかしげるようにする。
「話は終わったの?
俺達も、君に話があるんだ。こっちに来て」
瑠哀が椅子に腰を下ろすのを待って、朔也は切り出した。
「彼らは、誰だい?」
「以前に知り合ったの」
「パリで?」
「そう」
「随分、親しそうだけど、君の友人ではないだろう?
君はパリに来たばかりだしね。
彼らもここに来ていると、知っていたの?」
「友人、とまではいかないわ。
ただ、知っているだけ。だから、ここにいることも知らなかったわ。
会った時は、驚いたけれど」
「そうか。それで?」
瑠哀は、何?、というふうに首を回す。
「俺達に話すことはない?」
「特別ないと思うけど」
「そうかな。スーツケースを投げたとか、海に飛び込んだとか、身に覚えはない?」
「ユージンが話したのね」