森の人
そして再び、空洞の中で戦いに備えた。

「ねぇ、どうしたの?」

中にいた茜が拓也に聞く。

「二匹目が来たんだ」

顔を出口の方に向けたまま、拓也が答える。

「倒せるよね?」

「ああ、大丈夫だ」
「さ、危ないから奥に下がってろ!」

恐怖と戦いながらも、凛とした横顔に安堵感を覚えた茜は、

「うん」

と頷いて、空洞の奥に身を潜めた。


!!!


「来た!」

再び、空洞内に緊張が走る。
だけどさっきよりは落ち着いて、

拓也が獣の口に、毒キノコを詰めた袋を投げ込む!

獣がひるむ!

拓也が槍を持って外に出る!

コウヘイが続く!

震えながら澤山も後を追う!

槍を投げる!

心臓に命中!

今度は三本とも!

二匹目はあっけなく倒れた。
「やったー!」

大声あげて歓喜の声を上げる拓也。


そして、コウヘイと澤山に抱きつく。

「拓也さん。く、苦しいです」

そう言いながらも、勝利に喜ぶコウヘイ。

澤山も、きつく抱きしめられた腕の中で、勝利に喜ぶ。

そして同時に、勝利のそれよりも、もっともっと深い喜びが、彼の胸を満たしていた。
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