森の人
「それは、最後まで確実に生き延びれる人物よ」
四人を見るサヤカ。
「死の審議をして犠牲者を選ぶにしても、絶対に選ばれることもなく」
そう言って茜をキッと睨むと目線を外し、コウヘイ、拓也、澤山の三人を見る。
「この場を逃げても、森の制裁を受けることのない者」
更に、コウヘイからも目線を外し、拓也と澤山を見る。
「扉を開けるには何が必要?」
拓也を見る。
「鍵」
と、答える拓也。
「その鍵を持つ者は?」
サヤカと一緒に、三人もその人物の方を見る。
そして、声を揃えて言った。

「澤山さん」

不思議な空気が流れる。
何故、澤山の名前を言ってしまったのだろう。
三人は、そんな表情をしていた。
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