ひとつ、ベッドの中
第三章

苦しい胸

「いい加減にしろっ!」




……また始まった。


ここのところ落ち着いていた両親のケンカが最近再熱している。


もう16歳にもなって、今更怯えもしないけど。


小さいころのトラウマは、簡単には剥がれてくれない。


両親に限らず、怒鳴り声を聞くだけで、胸の奥が苦しくなって、ものすごい恐怖が襲ってくるのだ。





心が苦しい。


心が潰されそうになる。


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