ひとつ、ベッドの中
凌ちゃんとの思い出は綺麗なままで。


もう振り返ったりしない。






「よかったな。詩織」

「……」


良かったのは、凌ちゃんの方でしょ。

お荷物を処分出来て。


「だから……コレ……」


あたしには、もう必要ない。



足を止めて。


凌ちゃんの手のひらに。


――合鍵を乗せた。


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