ひとつ、ベッドの中
『救えるのは、詩織しかいない』


宏太君の言葉に背中を押されて、凌ちゃんに歩みよった。


一瞬流した目であたしを視界に入れたけど、何も見なかったかのように、元に戻す。


…っ。


それに屈せず、勇気を振り絞った。


「凌ちゃん……お酒……飲んでるの?」


凌ちゃんから香ってきたのは、香水に混じった、アルコールの匂いだった。


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