ひとつ、ベッドの中
千紗は完全に熟睡していた。



まだ、行くと決めたわけじゃないけど、あたしは体を起こす。


だけど起き上がった体は、何かを突き動かすようにあたしの足を外へと進めた。



もう0時近かった。


さっきまで騒がしかったフロアも、嘘のように静まり返っている。


凌ちゃんも、もう寝てるかもしれない。


メールも入れずに来たから、空振りに終わるかもしれない。




それでも。





――コンコン。


頭にインプットした部屋番号の扉をノックした。

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